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自治体の皆さまへ

次世代へつなぐ持続可能な農業

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山形県 山形市

日本では、近年頻発している自然災害や地球温暖化による気候変動などに加え、農業者の高齢化や担い手不足など、農業を取り巻く環境は厳しい状況で食の安定供給に対する課題がたくさんあります。国では、未来につながる豊かな食生活の実現を目指す「みどりの食料システム戦略」を策定しました。
そのため市では、環境に配慮しながら農業者が、安定した農業経営を実施するための対策を、山形市農業戦略本部で検討しています。今号では、有機農業をはじめとする環境に優しい農業を推進するために山形市が実施している取り組みを紹介します。

▽有機農業(有機栽培)とは、
(1)化学的に合成された肥料・農薬を使用しない
(2)遺伝子組み換え技術を利用しない
(3)農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する農業生産の方法を用いて行われる農業のこと
引用:有機農業の推進に関する法律

(1)有機栽培の実証
化学肥料を使用しない有機栽培は、環境への負荷を減らすことにつながりますが、一般的な農法に比べると栽培に手間がかかり、多くの収穫量を確保できないといった課題があり有機栽培を行っている農家や栽培面積が少ないのが現状です。そこで、有機栽培を実証する農地を設置し、農作物の収穫量や作業量等を基に、山形市の気候などに合う作物や品種の選定や栽培技術の検証をしています。

西蔵王野菜生産組合協力の下、令和5年度から1,000平方メートルの農地でジャガイモの作付けを開始しました。本年度は、約2,000平方メートルに拡大し、ジャガイモのほか、新たに大根の作付けを行います。

(2)有機栽培された農産物を学校給食で提供
有機栽培された農産物を学校給食に提供し、市内小・中学校での有機農業・有機農産物に関する食育・地産地消の活動を通じて、持続可能な農業の実現を目指します。

令和5年度には、収穫された有機栽培によるジャガイモ(770kg)を、市内小学校35校、中学校15校の学校給食の献立の食材として使用しました。南山形小学校では、給食の時間に、ジャガイモを生産する西蔵王野菜生産組合から、ジャガイモ栽培の苦労話や有機栽培についてお話をしていただきました。

◇みどりの食料システム戦略
SDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中で、食料・農林水産業でもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急がれます。国では、農産物の生産から消費までの各段階で環境に配慮し、環境への負担を減らす技術革新を推進しつつ、食料・農林水産業の生産力を上げ、持続可能性を高めるために「みどりの食料システム戦略」を策定しました。

《「オーガニックビレッジ宣言」を目指しています》
「オーガニックビレッジ」とは、有機農業の生産から消費まで一貫して、農業者だけでなく事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取り組みを進める市町村のことです。
山形市は、農業者による有機JAS※の認証取得者の増加や令和7年の「オーガニックビレッジ宣言」を目標に、農業生産活動の持続性の確保と環境負荷を低減する取り組みを進め、持続可能な農業を目指して今後も取り組んでいきます。

※有機JAS
…有機食品(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品)について農林水産大臣が定める国家規格。

問合せ:農政課
【電話】内線437

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